小児矯正で大事なこと
小児矯正の治療は、どのように進むのでしょうか?
お子様の歯並びについての、保護者の方のお悩みとして
- 矯正をしたほうが良いというのはわかったけれど、今気になっている部分だけ治療すればいいのでは?
- 引越しの可能性があるので、当面の問題があるところだけ矯正したい。
- 費用もかかるので、とりあえず、当面の気になる問題を解消し、その後で矯正のの先生ともう一度相談して考えたい。
矯正の治療は虫歯の治療と比べると、治療自体が複雑であったり、期間も長くかかり、費用も高額になること等、色々と心配になったりでご不安になる点があると思います。
治療までの流れ
- 初診・相談…治療のあらましの説明
- 検査…レントゲン写真、歯や顔の写真撮影、歯の型どり
- 検査結果の説明…治療方法、装置、期間、費用の説明
- 治療開始…説明に同意いただいた後に治療を開始します
治療の流れ
矯正治療のゴール(目標)をどのように考えますか?
- 矯正治療は、最終的には永久歯の歯列をきれいな歯並びとして完成させるというのが目標となります。
- 実際の治療のすすめ方としては、当面の大きな問題点を解決して、その後生えかわりの期間、様子をみながら、また、悪い方向になるようならそれを解決する装置を入れ、永久歯がはえそろい、さらに歯根も完成して「永久歯列」として落ち着くまで治療が継続します。
治療を1期・2期に分けて考えて、当面の問題の解決までを1期治療、その後の治療を2期治療として行っていく場合もあります。
1期治療の対象となる問題
- 上下のあごの関係が前後的、左右的に正常でない
- 歯が生えるスペースが足りない
- 歯が部分的に反対に噛んでいる
- 歯の向きや生え方が著しく悪い
- 歯の悪い癖
早めに治療をしないと発育に悪い影響を及ぼし、骨の成長に対して後々大きな問題となります。
2期治療の対象となる問題
- 歯と歯のすきまがあいている
- 歯の生える方向が少し傾いている
- 歯の並びが少しガタガタしている
歯についての問題(あごや骨そのものではない)
1期治療をすることによって、2期治療を楽にできたり(治療期間を短く・歯を抜かない・骨の外科手術をしないですみます)、2期治療の必要がなくなることがあります。
1期治療
- 生えかわる永久歯が正しい噛み合わせになるように顎の発育や方向のコントロールを行います。
- 永久歯にはえかわる際に正しい位置に生えてくるように、今ある乳歯や永久歯の歯列を正しい位置に移動させます。
- 装置は1種類とは限らず、2~3種類(取りはずし式や固定式)を取り替えて使っていく場合もあります。
1期治療を行うことによるメリット
- 永久歯列期の治療において、歯を抜かずにすむ可能性が高まります。(AとB。正常とズレの大きさの違い)
- 成長発育を最大限に利用できてとても有効です。
- 2期治療を必要としない場合があります。(その場合、矯正費用は2期治療分が必要ありませんので、安くすみます)
- 2期治療を行う場合でも、治療期間が短くてすみます。(CとD)
1期治療を行うことによるデメリット
- 小さい頃から矯正を始めるため、歯科医院への通院期間は長くなります。
2期治療(仕上げ治療)
永久歯の矯正治療のことを2期治療といい、あごの成長や発育をコントロールしながら、イラストのような矯正装置(固定式、取りはずせない装置)で力をかけることによって歯を正しい位置へ移動させます。
1期治療で始めて、後の話し合いで2期治療まで行うことになった場合、1期と2期の差額分だけを追加の費用としていただく形になります。