女性の歯周病は不妊リスクを上昇させる可能性も!
前回の記事で「歯周病と糖尿病は相関性がある」ということをご説明しました。
さらに糖尿病は不妊リスクを、歯周病は早産になる可能性を高める病気でもあります。
今回は糖尿病による不妊リスクと、歯周病による早産のリスクについて紹介します。
Contents
歯周病による糖尿病と不妊リスク
歯周病になる方の中には、高血糖に悩まされている方が多いことがわかっています。
歯周病菌から放出される物質がインスリンの働きを妨げて糖尿病を悪化させてしまうのです。
糖尿病になると月経不順が起こりやすく、結果的に不妊リスクも高まります。
詳しいメカニズムはわかっていませんが、インスリンの効き目が弱くなるインスリン抵抗性と関連があるという説があります。
また、インスリンが過剰に分泌された状態にあるとき、卵巣内で男性ホルモンが増加しPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)を発症しやすくなるのも原因です。
PCOSを発症すると排卵障害や卵子の質の低下を招くことがわかっています。
不妊治療の検査で糖尿病が判明したというケースもあり、運動や食事療法などによって血糖値を下げるまで、不妊治療は見合わせることもあります。
妊娠を望んでいる人にとって、糖尿病は最も怖い病気の一つといえるでしょう。
歯周病が早産のリスクを上げる?
歯周病は糖尿病だけでなく、早産になりやすくする病気としても知られています。
データを紐解くと、歯周病にかかっている人の早産確率は、正常な人に比べてなんと7.5倍もの数値をたたき出しているのです。
これは早産の主な原因とされる喫煙やアルコールなどよりずっと高い確率です。
出産は陣痛時に子宮収縮作用を持つ物質「プロスタグランジン」の分泌が促進されることによって起こります。
しかし歯周病にかかるとプロスタグランジンの分泌を高める「サイトカイン」という物質が血中に流れ込んでいくので、陣痛前に子宮収縮を引き起こしてしまい、早産に至ってしまうのです。
妊娠を望む人は定期検診を
妊娠・出産と歯周病が関係していることをご存じない方も多く、今回の記事を読んで初めて知ったという方も多いのではないでしょうか。
不妊に悩まされている方や不妊治療の効果が現れない方は、もしかすると歯周病が原因かもしれません。しっかりと口腔環境にも気を配るようにしましょう。
定期検診を受けることで、歯周病や虫歯などを早期に発見して治療することができますので3か月から半年に一度は定期検診を受けることをおすすめします。
プロの目で虫歯や歯周病がないかしっかりとチェックしてもらい、普段のブラッシング指導も受けましょう。
歯周病は初期のうちは痛みなどの自覚症状がないため、気付いてから病院に行くとかなり進行しているということがよくあります。
不妊リスクと早産リスクを抑えるためにも、歯周病予防の口腔ケアは欠かさず行ってくださいね。