日常生活でも起こる!? 歯の脱臼の原因と対処方法
強い衝撃が加わることで、歯に脱臼が起こることがあります。
日常生活の中でも発生する可能性があるので注意が必要です。
もし脱臼した場合にはどんな対応をすればいいのでしょうか。
また、脱臼した歯は元の戻すことが可能なのでしょうか。
原因や症状と対処方法を紹介します。
Contents
歯の脱臼について
歯の脱臼とは、外部から強い力が加わることによって歯がぐらつくことや抜け落ちることを言います。
歯と骨(歯槽骨)を固定している組織(歯根膜)が断裂するために生じます。
脱臼の状態には、歯根膜が部分的に断裂したことでぐらつきはあるが元の位置にとどまっている不完全脱臼と歯が骨から完全に抜け落ちた完全脱臼とがあります。
脱臼が起こる原因
脱臼の原因は、物理的な衝撃です。
人や物とぶつかる、転倒する、交通事故の衝撃、けんかなど家の中や外を問わずどんな状況でも起こる可能性があります。
また、野球ボールが直撃することやボクシングで顔を殴打されるなどスポーツをしている時にも起こりやすいので注意が必要です。
脱臼の応急処置と治療方法
元の位置に歯を戻して(再植)、左右隣の歯と接着して固定します。
早く処置できた歯は神経が生き返る可能性が高いです。
そのため、経過観察します。6か月程度しても、神経が生き返らない場合は神経を取り除く治療を行います。
そのままにしておくと、歯が変色してしまうためです。
脱落してから10分以内に適切な処置を行うことができた場合は、元の状態に戻せる可能性が高く、その後も本来の寿命まで歯が生着していることが多いです。
しかし、1時間以上放置した状態であると歯根膜が乾燥して有効に機能しなくなるので、再植できたとしても数年で歯が抜け落ちる可能性が高いです。
このように、再植を成功させるためには歯根膜を乾燥させないことが重要になります。
脱臼を起こして歯が口の中から落ちた場合は、すぐに水洗いをしてください。
30秒以内で軽く洗うだけにして、強くこすったり洗いすぎたりする歯根膜を傷つけるので注意しましょう。
その後すぐに、歯を元の位置に戻します。
また、歯が抜けそうな場合は、そのまま元の位置に押し込んでください。
そして、その上からガーゼなどで押さえて止血します。
完全に抜け落ちて、元の位置に戻すことが無理な場合は、唇と歯茎の間や頬の内側など口の中に入れておくか、水か牛乳の中で保存してください。
アルコールや消毒液が付いているもので保管することも歯根膜を損傷させる恐れがあるのでやめましょう。
そして、できる限り早く歯科または口腔外科を受診することが大切です。