居酒屋の常連に歯周病が多い理由……お酒が歯の健康を脅かす!?
社会人とお酒は切っても切れない関係にあると言っていいでしょう。
毎日仕事帰りに居酒屋に立ち寄るという方もいるかもしれませんね。
ストレス社会と称される日本では、日々のストレス解消はどうしても避けては通れない課題のようなものです。
お酒は確かに手っ取り早くストレスを和らげるアイテムではありますが、一方で歯周病を加速し、健康を侵害する大きなリスクを孕んだ要素でもあります。
実際、居酒屋の常連で歯周病を抱える方は少なくありません。
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お酒と歯周病の関連性
歯周病の原因菌についてはいまだに研究の途上にあり、口内に存在する500以上の細菌の中でどれが関与しているのか特定しようと試みている段階です。
可能性としては「嫌気性グラム陰性桿菌」などが大きな役どころを演じているのではと言われています。
しかし、500種類以上の最近の中から歯周病に関連するすべての要素を特定したとしても、おそらく原因菌の殺菌処理だけでは歯周病の完全な対策は完成しないでしょう。
なぜなら歯周病をもたらす要素は細菌だけではないからです。
歯周病の三大要素
1. 細菌因子
口内に存在する細菌、歯垢などの汚れなど
2. 環境因子
生活習慣、病気治療、ストレスなど
3. 宿主因子
体質、年齢など
お酒は2つ目の環境因子に該当します。
]生活習慣性の歯周病促進要素として、臨床研究によって実際にどのように歯周病に影響するのか観察されました。
ラットを使った実験の結果、歯周病の存在しない個体では骨がアルコールを吸収して骨、歯肉に炎症を起こしたそうです。
また、歯周病が存在する個体の場合にもアルコール摂取後に歯肉の炎症性細胞の数が増加していたのだとか。
アルコールの摂取による抵抗力の低下
なぜこのような現象が起きたのか、その理由はアルコールによる抵抗力の低下にあります。
人体は常に病気の原因となる細菌や、がん細胞と闘っています。
機能に異常をもたらす症状の多くは「活性酸素」が関与して悪化を促進するのですが、人間が本来持っている免疫機構が悪性因子を除去するため、よほどのことがなければ人は病気に至りません。
アルコールの摂取は体内で大量に活性酸素を生み出します。
そのため、防衛機能としての抗酸化力を上回る活性酸素が働いて歯周病を増悪させるのです。
歯周病の原因菌は歯の表面に「バイオフィルム」と呼ばれる膜を張るので、こうして歯周病が悪化した方は同時に虫歯の進行にも悩まされるでしょう。
虫歯の悪化はさらなる体力の減退を招きます。
飲酒、歯周病の悪化、虫歯の悪化、体調不良からストレスの増大という負の連鎖を断ち切るために、ぜひ一度歯科を受診してみて下さい。
口腔の悩みが改善されれば、必ず前向きな人生に一歩近付けます。
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