顎関節治療で市販マウスピースを使用することのリスク
顎関節症にはマウスピースを利用した治療法(スプリント療法)があります。
ただしこれを市販マウスピースで行ってしまうと、かえって悪影響を及ぼすことがありますので注意が必要です。
顎関節治療と市販マウスピースの関係や使用する事のリスクについてご紹介していきます。
Contents
マウスピースの種類
まずマウスピースの種類は大きく2つに分類されます。
・歯科医でつくるマウスピース
歯科医などで個人の歯型に合わせて個別に作るマウスピースです。
フィット感にも優れ顎関節の治療にも推奨されています。
唯一デメリットとなるのは価格で、作成するのに5000円程度掛かります。
・市販のマウスピース
ドラッグストアなどでも販売されている市販のマウスピースです。
どんな方でも装着できる様な造りとなっており、価格も1000円程度と安いのが魅力。
ただし万人向けとしている分、特注したものよりフィット感が劣り、違和感を覚える場合があります。
顎関節の治療には推奨されていません。
市販マウスピースのリスク
市販マウスピースは顎関節治療には向かず、時にはリスクを及ぼすことがあります。
顎関節治療というのは、マウスピースを長期間(2~3ヶ月程度)装着し、マウスピースの抑え込む力で徐々に顎関節を矯正していく治療法です。
市販のマウスピースは完全にフィットしないものが多く、顎関節とマウスピースにズレが生じる場合があります。
ズレが生じているマウスピースには顎関節を矯正する力はなくなりますので、顎関節症を解決する事はできません。
また極度にズレのある市販のマウスピースを無理に装着してしまうと、顎関節自体を不自然な形としてしまうリスクも発生します。
顎関節治療には歯科医のマウスピースを
市販のマウスピースというのは「歯ぎしり」や「くいしばり」などの防止が主な利用目的です。
また肌のたるみ防止を目的としたマウスピース、スポーツなどでの怪我や雑菌感染を防止するマウスピースなどタイプもさまざまです。
いずれにおいても市販のマウスピースは、顎関節治療を目的としたものではありません。
マウスピースによって”顎関節治療を行う場合”は、正確に型取りをした歯科医でつくるマウスピースを使用します。
実際に多くの医師は市販のマウスピースによる治療は薦めておりませんので、治療を行う場合は医師の指示のもと歯科医でつくるマウスピースを利用する事をオススメします。