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上下とも歯が一本も無かった痴呆の方が、上下総入れ歯にした途端に痴呆が治ってしまったという話を聞いたのですが、どう思われますか?

入れ歯治療を行っている南浦和の歯医者さん、くろさき歯科です。今回は「上下とも歯が一本も無かった痴呆の方が、上下総入れ歯にした途端に痴呆が治ってしまったという話を聞いたのですが、どう思うか」という質問について詳しくお答えしていきたいと思います。

「今まで歯の無かった人は、総入れ歯を入れた事で痴呆が治った」というのは、あり得る話ではないかと思います。
それは、「噛む」という行為が、脳や全身に与える影響が大きい事が関係していると考えられます。「噛む」という動きは、脳へ刺激を与えますので、痴呆(現在は“認知症”で統一)に何らかしらの影響があったのではないでしょうか。

Contents

入れ歯を入れる目的

入れ歯を入れる目的は、「失われた機能の回復」と「口の中を安定した状態に保つこと」です。
お口には、様々な役割があります。美味しく食事を食べ、人と楽しく会話をするためには、お口がしっかりと機能する事が大切です。
何歳になっても、美味しく食べ、楽しく会話ができるというのは、生き生きとした人生を送るために、とても重要なのではないかと思います。
また、お口の機能は、食べることや話すことだけではありません。お口の開閉により脳に刺激をあたえ、お顔や身体のバランスを整えます。
入れ歯を入れる事で、お口の機能を回復させ、健康な生活を送る事ができます。

入れ歯を入れる事による効果

入れ歯を入れる事で得られる効果を、まとめたいと思います。

(1)咀嚼機能の向上
入れ歯を入れる事により、きちんと咀嚼(食べ物を噛み砕く)できるようになります。食べられるものが増え、楽しく食事ができるようになります。
また、「噛む」という動作により、脳が活性化され、認知症の予防につながります。

(2)身体的・精神的に健康を維持
咀嚼機能の向上により、しっかりと噛み砕く事ができるようになると、胃腸への負担は軽減し、栄養がしっかり摂れるようになり、身体の健康維持につながります。
また、見た目が良くなる事で、積極的に社会活動に参加できるなど、閉じこもりの予防になります。顔立ちも若々しくなるので、入れ歯を入れてから、友人達と良く会うようになったり、性格が明るくなったと感じる事も多いようです。

(3)嚥下機能の維持
嚥下機能(飲み込みの機能)を維持につながり、誤嚥(ごえん)、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)の予防になります。
「誤嚥」とは、食べたり飲んだりする時に、飲食物が誤って食道ではなく気管に入ってしまう事です。飲食物だけでなく、唾液が気管に入る事もあります。
「誤嚥性肺炎」とは、誤嚥によって、口の中にあった細菌が気管や肺に流れ込んで起きる肺炎のことです。高齢者の場合は、肺炎が死亡原因になる事もあるので、深刻な病気です。

(4)身体の平衡
入れ歯が入る事で、お口のバランスが整い、身体のバランスも良くなります。歩行を安定させ、転倒予防にもつながります。

「噛む事」の効果と認知症との関係

昔から「しっかり噛んで食べなさい」とよく言われたもので、「噛む事」は全身を活性化させるための重要な働きをしています。
しっかりと噛める入れ歯を使う事は、「噛む事」による効果を十分に得る事になります。「噛む」という事に焦点をあてて、認知症との関係をさぐっていきたいと思います。
「噛む事」は、一般的に次の8大効用があると言われています。

(1)肥満を防ぐ
よく噛むと、脳にある満腹中枢が働いて、満腹を感じやすくなります。それにより、食べ過ぎを防ぎ、肥満の防止につながります。

(2)味覚の発達
よく噛むと、唾液がよく分泌され、味を感じやすくなります。濃い味はすぐに慣れてしまうので、いつの間にか、濃い味のものばかり食べてしまう事があります。できるだけ薄味のものを、よく噛んで食べるように心掛けましょう。

(3)言葉の発音がはっきり
よく噛むことで、口の周りの筋肉が発達し、表情が豊かになります。お口を大きく開けて話す事で、言葉の発音もはっきりとします。

(4)脳の発達
よく噛むことで、脳細胞の動きを活性化させます。血流が良くなり、脳に酸素と栄養が行き渡ります。高齢者は認知症の予防になります。

(5)歯の病気を防ぐ
よく噛むと、唾液の分泌が促進されるので、口の中の細菌を洗い流す作用が働きます。さらには、唾液による再石灰化作用や、抗菌作用により、虫歯や歯周病の予防になります。

(6)がんを防ぐ
唾液に含まれる「酵素」には、食物に含まれる発がん性物質の発がん作用を消す働きがあると言われています。

(7)胃腸の働きを促進する
よく噛む事で、消化を助ける消化酵素がたくさん出ます。また、きちんと咀嚼されるため、胃腸の負担が軽減します。

(8)全身の体力向上
よく噛めるということは、しっかり噛みしめ食いしばる事ができるという事です。全身のバランスを整え、いざという時に力が発揮できます。

このように「噛む」事は、全身を活性化させるために、たくさんの働きをしている事がわかります。脳細胞の動きを活性化する働きもある事を踏まえると、認知症の程度や、感じ方にもよりますが、「入れ歯を入れた途端に、認知症が治ってしまった」という事も起こり得るのでは無いかと思われます。

噛める入れ歯を維持するために

入れ歯を作ったら、それで終わりではありません。お口の中は日々変化していますので、最初はお口に合っていた入れ歯も、年月の経過と共に合わなくなってきます。粘膜の形も変わりますし、使用していくうちに入れ歯も擦り減ってきます。噛める入れ歯を維持するためには「定期検診をしっかり受けること」と「適切なお手入れを行うこと」が大切です。

(1)定期検診を受けること
問題が無い場合でも半年に1度は定期検診を受けましょう。自分の歯が1本も残っていない場合でも、入れ歯の状態をチェックし、調整をしてもらうようにしましょう。

(2)適切なお手入れを行うこと
入れ歯も、自分の歯と同じように、毎日清掃する事が大切です。基本はブラシによる擦り洗いです。入れ歯用のブラシで、全体をくまなくしっかり擦って汚れを落としましょう。
入れ歯が削れたり、傷がついたりする可能性があるので、歯磨き粉は使わないでください。破損を防ぐため、水を張った洗面器の上で、流水下で洗うようにしましょう。お湯も変形の恐れがあるのでやめましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。入れ歯を入れる事の効果、噛む事の効用を考えると、「上下とも歯が一本も無かった痴呆の方が、上下総入れ歯にした途端に痴呆が治ってしまった」というのもうなずけます。
入れ歯を入れる事は、美味しく食べ、楽しく会話をして、生涯生き生きとした人生を送ることにつながります。どうせ歯が無いから、ではなく、「噛めるように回復」する事が大切です。



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